
理学療法士に興味あるけど、やめとけって聞くこともある…
実際どうなの?
今回はこんな悩みにお答えしていきます。
理学療法士は若い方に人気の職業ですが、ネットで理学療法士を検索すると「理学療法士 やめとけ」という関連ワードが出てきます。


また先生や周りの人からも、「理学療法士はやめといたら…」と言われることもあるんじゃないでしょうか。



興味があっても「理学療法士 やめとけ」なんて聞くと不安…



確か「やめとけ」って聞くと、進路選びで悩むよね
そこで本記事では、「理学療法士やめとけ」は本当なのか、そう言われる理由はなぜかを現役の理学療法士(PT)が徹底解説していきます。
さらに理学療法士と働く魅力や向いている人も紹介していくので、最後までしっかり読んで自分にあった職業かしっかり確認してください。
結論!「理学療法士やめとけ」は本当?


まずは結論からお伝えしておきましょう。「理学療法士やめとけ」は、半分正解で半分間違いです。
理学療法士は患者との関わりも多くとてもやりがいのある仕事ですし、人が良くなっていく過程に関わるのは飽きることのない面白い職業です。
一方で待遇面でみると、そこまで給与も高いとは言えず(平均年収400万円台)、決して楽な仕事とは言えず安易な気持ちで選ぶと後悔することも…。
なので、正直なところ理学療法士になりたいという明確な想いがなければ、やめとけと言わざるを得ません。



やっぱり良いとこ悪いとこあるんだね



いい仕事なんだけど、待遇面をみると強くはおすすめできないんだな…
「理学療法士はやめとけ」と言われる5つの理由


主に理学療法士はやめとけと言われる5つの理由を紹介していきます。
それぞれ解説していきます。
給与が安い、上がりにくい
給与が安い・上がりにくいことは、理学療法士はやめとけと言われる最大の要因です。
下記は理学療法士の給与と、他職種の平均給を比較したもの。
年代別の給料
年齢 | リハビリ職 | 全労働者 |
---|---|---|
20〜24歳 | 329万円 | 320万円 |
25〜29歳 | 380万円 | 360万円 |
30〜34歳 | 414万円 | 409万円 |
35〜39歳 | 437万円 | 457万円 |
40〜44歳 | 487万円 | 494万円 |
45〜49歳 | 516万円 | 520万円 |
50〜54歳 | 539万円 | 557万円 |
55〜59歳 | 575万円 | 581万円 |
上記のように理学療法士は初任給こそ全職種の平均より高いものの、各年代でみると給料は平均よりも低い傾向にあります。
“医療職は給与がいい”とイメージされがちですが、理学療法士は平均より低くまた昇給もしにくいのが実情…。
そのため給料面の問題から、理学療法士はやめとけと言われることが多いです。



もっと高そうなイメージだったけど、そうじゃないんだね



働いてる身からすると、もっと高くてもいいなぁとは思うけど…
人数が増えすぎて飽和していく
昔に比べ理学療法士は養成校もグンッと増えて、比較的なりやすい職業になっています。
そのため毎年1万人近い理学療法士が誕生して、飽和状態になりつつあります。
下図は、理学・作業療法士の重要と供給の推移を示したものです。


この図が意味するのは2027年をさかいに理学療法士の供給が過多になるということ。
つまり、晴れて理学療法士になって就職したくても求人が少なくなるということを意味しています。
実際には辞めていく人もいますし、クリニックなどの新規開業で新たな職場も誕生していくので就職自体はできると思いますが、職場を好きに選べなくなることが予想できます。
上記のような将来性という観点からも、理学療法士はやめとけと言われることが多いです。



理学療法士も就職が安定しているとは言えないんだ…



理学療法士も競争の時代に突入するかも…
ただ理学療法士の増加は必ずしもデメリットばかりですし、将来性がなくオワコンと言われがちですが生き残っていくための戦略もあります。
頑張りが反映されにくい
理学療法士は、患者さんを良くするのが仕事。そのため仕事が終わった後や、休日返上かつ自腹で勉強会に参加したりして自己研鑽をしなくてはいけません。
ただその結果、リハビリの知識・利用技術が上がって患者さんを良くできる確率が上がっても、またリハビリの各種資格を取得しても、それが給料に反映されにくいんです。
その理由は、リハビリをして得られる報酬は理学療法士なら誰がしても一緒だから。



え?そうなの?



新人でも、経験豊富のベテランPTでも報酬額は一緒なんだよね
そのため前述の給与面の低さに繋がってきますが、個人がどれだけ頑張ってもそれが見える形で反映されにくのが実情…。
頑張りが反映されにくいリハビリ業界の現状からも、理学療法士はやめておけと言われることが多いです。
ブラックな要素がある
理学療法士の職場には、ぶっちゃけブラックなところもあります。
- サービス残業が横行
- 有給を取得させてもらえない
- 新人ほど休日出勤させられる
- 新人いじめがある
- 実習生にとにかく厳しい
上記のようなブラックな職場もあって、病む理学療法士(学生)がいるのも実情です。
これは職場によるところもありますが、理学療法士はやめておけと言われる一因になっています。



やっぱり医療の世界にもブラックな職場もあるんだね…



運悪くブラック職場に行くと最悪だよ
キレイなことばかりではない
特に病院で働く理学療法士だと、患者さんのトイレ介助や嘔吐物の処理をしたりと、必ずしもキレイなことばかりではないです。
また直接的ではないですが、患者さんや利用者さんの死と向き合う場面も出てきます。
全ての患者さんが良くてなっていくばかりではないので、その辛さから精神を病む人がいるのも実情。
そのため決して楽ではなくキレイなことばかりではないことも、理学療法士はやめておけと言われる要因になっています。



精神的、生理的にもたない人も出てきそうだね



医療の世界はイメージはいいかもだけど、現実は違うんだよね
理学療法士やめとけとは言わせない!PTの魅力を紹介


これまでは、一般的に「理学療法士はやめとけ」と言われる理由を解説してきましたが、もちろん良いところ(メリット)もたくさんあります。
理学療法士として働くメリットは、やっぱり患者さんの機能回復、生活復帰に直接的に関われてやりがいがあること。
- 脳卒中で動けない人が歩けた
- 事故で大怪我した人が生活復帰できた
- 膝が痛くて手術しかないと言われたけど、リハビリで良くなった
- 怪我をした選手が、復帰して大会で優勝した
- 腰痛がひどくて諦めていたゴルフができるようになった
上記のような場面に理学療法士として携わり、感謝の言葉をもらえた時の喜びは何ものにも変えがたいです。
「人の役に立ちたい」「人生を支える仕事がしたい」と考えている人にとって、理学療法士はとても充実感、やりがいのある仕事です。



同じ働くなら、やっぱりやりがいあって充実感のある仕事が良いね



患者さんの笑顔を見たり、感謝の言葉をもらえたらめっちゃ嬉しいよ
また給与面でも、病院や整形外科クリニックなどで勤務してると大体は年収500万円台がアッパーですが、腕に自信があれば独立開業やトレーナーになれば年収アップが見込めます。
中には年収1,000万円以上の人もいるなど実力次第では、大きく稼ぐことも可能!
独立開業やスポーツ分野、健康事業への参入など働き方の自由度は高いので、やり方次第では給与の低さはカバーできます。
理学療法士に向いている人


理学療法士に向いている人は、こんな人です。
- 人と接するのが好きな人
- コミュニケーションが得意な人
- 誰かの役に立ちたい人
- 身体に興味がある人
- スポーツに携わっていきたい人
上記に当てはまる人は、「理学療法士はやめとけ」と言われても、きっとやりがいを見つけて理学療法士として充実して働いていけます。



やめとけと言われても、気にしなくてOK
まとめ:理学療法士やめとけは半分正解で半分は間違い


この記事では、「理学療法士やめとけは本当?そう言われる5つの理由を現役PTが解説」について書きました。
理学療法士やめとけは、半分正解で半分間違いと言えます。
給与や将来性でみるとやめとけと言える部分もありますが、仕事のやりがい・充実感でみるとおすすめできる職業です。
給与面は、腕に自信があれば独立開業やトレーナーになれば年収アップが見込めます。働き方の自由度は高いので、やり方次第では給与の低さはカバーできます。



素敵な職業だけど、よく考えて進路を決めてね
今回は以上です。